ふだん、ストレッチをしていて「なんとなくやっているけど、これで合っているのかな?」という疑問を持ったことはありませんか。
バレエダンサー的な視点から、ヨガの前屈ポーズを効果的に深めるコツを紹介します。
立つ前屈も、座る前屈も、基本は同じ
前屈とは、上半身を前に倒した状態のことです。 座っている状態でも、立っている状態でも、股関節が折りたたまれていることには変わりありません。
こちらの、背中で合掌したまま前屈するポーズも、少し足を前後に開いていますが、前屈しています。*1
太ももの付け根から、上半身を倒す
折りたたみ携帯のように、太ももの付け根から上半身をまっすぐに倒すことが基本です。猫背のように背中を丸めたままで手だけ伸ばそうとしても、前屈は深まりません。
手を伸ばすことよりも、おへそから前に倒れて角度をつくる
バレエの前屈でも同じなのですが、お腹から前に倒れる意識を持つことです。 おへそ・下腹部から、上半身ごと太ももの方へ近づいていくように、前屈していきます。
前屈を克服するための3ステップ
前屈が苦手だという方の多くに、この3つのハードルがあります。座った状態で前屈する時の例で説明します。
1:膝の裏が伸びるようになる
膝の裏側が曲がってしまう人は、伸ばすように心がけましょう。特に、ひざ関節の裏側の縦に走る筋を、内側と外側と平行にイメージして、均等に伸ばすようにします。例えば、内股になりやすい方は、ひざの裏でも特に内側が伸びにくくなっていたり、バランスが偏っていることがあります。
2:お尻と太ももの裏側が伸びるようになる(お腹と太ももが付く)
上記の「お腹から前に倒れる」ということができない人は、お尻と太ももの付け根のあたりを伸ばすように心がけましょう。お尻の筋肉の硬さは、腰痛にも影響してきます。この時、(1)の膝が曲がってしまう人は、(1)の膝の裏を伸ばすことと分けて考えましょう。(2)を意識する時は膝が多少曲がっても大丈夫なので、お尻の筋肉に集中してストレッチしましょう。次第に、(1)と(2)が同時に行えるようになります。
3:かかとを前に押し出して足の爪先を立てる(フレックス)
(1)と(2)が少しずつ慣れてきたら、そこで安心せず、今度は足首にも注目します。かかとを前方に押し出して、つま先を天井へ立てるようにします。バレエでは、この形を「フレックス」と呼びます。
アキレス腱周りが伸びて、さらに膝の裏までもがもっと伸ばされるような感覚になります。
足首も、実は固まりやすいパーツです。足首が固くなっていると、立ち方・歩き方・動き方すべてに影響が出てしまいます。急にストレッチすると、足がつってしまう人もいますが、少しずつ慣らしていきましょう。
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*1:パールシュヴォッターナ・アーサナのやり方:動画つき