- 腰は、骨の構造による”守り”が少ない
- コルセットがない分、筋肉の力で支えないといけない
- ダンサーも怪我から腰を守るためにトレーニングする
- 大きなソファ・椅子にもたれかかる人は気をつけて
- 体幹を使わずとも二本足で立ててしまうからこそ、意識が必要
- 腰の骨組みを支える深層部の筋肉
- 腰は筋肉で守ろう
腰が重だるい・疲れやすいという人の中には、腰を筋肉で支える力が弱い人が多いです。 まっすぐ立っているようでいて、実は体幹が働いていないことがあったら、要注意です。
腰は、骨の構造による”守り”が少ない
腰は、骨の構造を見ると、あまり骨に守られていない部分です。黄色で丸くかこんでいる腰の部分と、胸の部分とを比べて見てください。
胸部は、胸郭(あばらぼね)などで保護されているのに対して、腰には中心の背骨くらいしかありません。
ちょうど、あばらぼねと骨盤の間に、ぽっかりスペースができています。
コルセットがない分、筋肉の力で支えないといけない
骨でがっしり固められていればそれだけで支えられますが、骨で守られていない分、腰回りの筋肉で支える力をつける必要があります。
具体的には、骨の構造を支える深層部の筋肉から、しっかりとまっすぐに腰を立てる必要があります。
腰痛ベルトなど外的なもので固定したり、対症療法的なマッサージに頼るだけでなく、最も大切なのは、筋肉の状態を把握して、自己管理していくことです。
ダンサーも怪我から腰を守るためにトレーニングする
私自身もバレエを踊りながら腰を守ることにかなり意識を向けてきました。小さな頃から腰が柔らかいため、骨が変形したり腰痛になる可能性を、先生から指摘され続けていました。「じゃあ、どうすれば腰を守ることができるのだろう?」と小学生の頃からずっと研究してきました。
脚を背後に高く上げたり、背中を反らす(後屈)ことは、やり方を間違えると、腰にとってリスクが高くなります。自分の体で研究しながら、それをカバーするだけの筋肉で支えることで、怪我や痛みから守っています。
大きなソファ・椅子にもたれかかる人は気をつけて
大きなソファ・椅子にゆったりともたれかかるのは心地よいものですが、腰が圧迫されてしまいます。腰を痛めてしまう原因にもなりかねないので、気をつけましょう。
体幹を使わずとも二本足で立ててしまうからこそ、意識が必要
実は、体幹周りの筋肉を使わなくても、わたしたちヒトは二本足で立ててしまいます。
だから、体幹を使う意識を一度目覚めさせないと、いつまでも「ぽっこりお腹・出っ尻タイプ」または「猫背・骨盤後傾タイプ」から改善されなくなってしまいます。
腰の骨組みを支える深層部の筋肉
腰と背骨をまっすぐに立てるために必要な筋肉があります。
これらがないと、いくらそのまわりの表層の筋肉があっても、骨自体をまっすぐに積み上げることができません。
まっすぐに積み上げることができないから、腰が丸まったり、神経を阻害して痛みが出たり、骨の変形などにもつながっていくのです。
腰痛になりやすい人は、これらの筋肉が正常に働いていないケースが多いという海外の研究データもあるそうです。
腰方形筋
腰の骨組みを支える重要な筋肉の一つ目は、腰方形筋です。
よく、腰痛緩和のマッサージなどでもよくこの部分をもみほぐします。
別の記事でも書きましたが、この筋肉が固まっていると、骨盤の左右の歪みを引き起こすこともあります。
腹横筋
次に、腹筋群の中でも一番深層にある腹横筋です。この中には腹腔(内臓などが入っている)があります。
この腹横筋の外側(外からみて表層)に、いわゆる”腹筋が割れる”形をつくる腹直筋や、ウエストをねじるときに働く腹斜筋があります。 でも、腹筋の中でも、一番中央で骨組みを組み立てている筋肉は腹横筋です。
腰部多裂筋
背骨の骨ひとつひとつがつながるように支え、なめらかに動かせるようにしているのが腰部多裂筋です。
腰痛・背中こり・肩こりになっている方は、これらの背骨を一つ一つつなげる筋肉から凝り固まっていることが多いです。
腰は筋肉で守ろう
腰は肋骨のような周囲を守り固める構造がない分、自由に動かせますが、健康に支えるにはある程度の筋肉が必要です。
運動不足になっている方や、デスクワークで腰が疲れている方は、筋肉の状態を整えることから始めましょう。
腰方形筋のストレッチ
【腰痛対策】骨盤の左右の歪みを整える・腰の筋肉ストレッチ - バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ
(※本記事は、2015年2月の記事をリライトしたものです)