バレエヨガインストラクター三科絵理のブログ

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「空間の認知の研究についてふれる」研究者黒木暁先生 クラブハウスの私の感想

クラブハウス 愛と癒しのバレエCLUBでの《万里一空インタビュー企画》第二弾に「空間の認知の研究についてふれる」を開催しました。こちらは私の感想です。

実は前夜に濱田先生の「好奇心」の研究についての回があったのですが、二夜連続となり、皆さんとエキサイティングなトークナイトが続きました。脳は誰しも興味のある世界ですね!

研究者 黒木暁先生

Satoshi Kuroki (@sskd3) | Twitter

https://scholar.google.com/citations?user=epgZdVoAAAAJ&hl=en

さて、わたしたちは空間を感じずに生きていくことはできないくらい、毎日あらゆる瞬間に自分の位置や空間を認識して行動しています。

でも、どうやって感じていると思いますか?

よく考えてみると、すごく不思議ですよね。

家の中を移動したり、目標のところに歩いていったり、車を運転したり、バレエ教室では真ん中・はじっこを考えて立つ位置を決めていたりしますよね。

実は、脳の空間を把握するには、脳の海馬が大きな役目をもっており、「場所細胞」「グリッド細胞」というのが大変面白いお話でした。

この「場所細胞」と「グリッド細胞」については、2014年にノーベル生理学・医学賞を受賞した脳科学の発見です。

Place cell(場所細胞)とGrid cell(格子細胞)-2014年ノーベル生理学・医学賞を解説する- | BSI Youth

例えば頭の中に地図を描くように現在地を認識する仕組みがあり、それを支える神経細胞がわたしたちの脳にあるのだそうです。

確かめるためには、ネズミの脳でどのように神経細胞が反応するのかを実験するそうです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E5%25A0%25B4%25E6%2589%2580%25E7%25B4%25B0%25E8%2583%259E

特定の場所にいるときに反応する場所細胞というものや、格子状に空間の座標を伝えているようなグリッド細胞、向いている方向を感じる神経細胞、スピードを感じる神経細胞… などなど、あらゆる働きをもっているとのこと。

空間といっても、地図上の現在地を察知するのか、体から見た空間を感知するのか、によって脳の中でも海馬なのか、小脳なのか、というように司る場所は変わるらしいです。

バレエを踊るときを例にしてみると、おそらく踊りの全体的な流れ(大きなステージ上での現在地なども)は海馬、ポーズや動きの体の方向などは小脳がやっているのではないか?と、断言できるかはわからないけれどもそのような可能性が高いのではという見解がありました。

なるほど、踊る自分自身としてはあまりそこまで整理せず暗黙的にやってしまっているので、面白い気づきでした!

たしかに、バレエを習い始めているときは体からみた空間や関節の角度に重点を置かれやすく、私の主観ではそれはもしや小脳寄りなのかなと思いました。

全体の流れを理解するというのは慣れと経験がいるので、俯瞰するような視座になります。そのような時に海馬なのかなぁと、経験則的にも納得しそうな知見を得ました。

脳の海馬は記憶を司る部位でもあるので、記憶や、認知症対策などにも話が広がりました。

頭を賢く柔軟に働かせることをよく「頭をやわらかくする」と比喩的に言うことがありますよね。(某学習塾の広告で、四角い頭を丸くする、というポスターをよく見ました)

実際には、脳の神経細胞が物理的にやわらかくなっていることが脳の働きに影響を与えるのだそうです。

「頭をやわらかくする」というのは、モノの例え話だったと思ったら、どうやら本当だったのですね。

そして、脳に記憶を定着させているのは、寝ている時間なのだということ!活動的な時間には海馬での記憶の定着が起こらないということがわかってきているそうです。

さらに耳寄りだったのが、脳の疲労についてです。

脳の疲労って、なかなか実感しにくいことですが、実際に老廃物が溜まっていくのだそうです。溜まりすぎていくと、脳の健康にも支障をきたします。

脳の老廃物を排泄して病気などから予防するためにも、食事・睡眠・適度な運動といった日常生活の習慣が大切なのだそうです。徹夜をすると、脳は疲労が取れなくなってしまう!というお話です。

脳脊髄液の流れをよくして、脳の老廃物が流れるので、特にしっかり睡眠をとると、朝頭がスッキリしているように感じるのもそのためなのかもしれません!

まだ科学でも未知な部分の多い脳の働きは、知れば知るほど「よく出来ているんだなぁ〜」と神秘さに感動すら覚えてしまいます。

なかなか触れる機会の少ない研究の話を、黒木先生からクラブハウスというアットホームな場所で、脳の仕組みを聞かせてもらうと「すごく身近なイメージ」になり「もっと知りたい」と好奇心をそそられました。

私としては、脳というのは身近な存在でありながら、神秘的な気がして、まだうまく言語化できないのですが、どこかでインスピレーションが湧いてきそうです。

リプレイ(アーカイブ)

「空間の認知の研究にふれる」バレエルーム💕🔰芸術・美学・解剖学ゆるく語る部屋 #8 - 愛と癒しのバレエCLUB - Clubhouse

回を重ねながら、クラブハウスでのインタビューのチャレンジは「やっぱりやってよかった」と興奮してしまいます!