蘭、またの名をオーキッド。お祝いや鑑賞には胡蝶蘭をプレゼントするイメージがありますが、なかなか身近にふれる機会が少ないので、らん展を観に行ってきました。初めてで、入口のここから圧倒されました。
この光景、私にはたくさんの笑っている顔が並んでいるように見えてしまいます(笑)まるで不思議の国のアリスです。
東京ドーム中にいったい何輪の花があるんだろうというくらい、展示にも販売コーナーにも花が埋め尽くされていました。
高さも見上げるほど。
花が話しかけてくるよう…!
会期してすぐなので、お花はどれも新鮮で元気でした。ぐっと覗き込んでしまいそうなくらい、蘭は個性的な造形に富んでいるのですね。
フラワーアレンジメントになるとまた雰囲気ががらりと変わります。
立体的に絵をつくっていくかのよう。
そうか、こういう発想もありか〜というのが面白いですね。
花が主役でありながらも、絵のパーツでもありました。
こんなにたくさんの蘭を見ながら不思議に思ったのは、香りはどうなのか?ということ。
フレグランス部門というコーナーでは香りを楽しむさまざまな蘭が展示されていました。
ぐっと近づいてみると、ひとつひとつ蘭とは言っても香りは違いました。色形もあれだけ違うものが並んでいるのですから、香りが幅広くてもおかしくないのかもしれませんね。
好きだなぁと思う香りは、どこか似た色形でした。
あ、これもムラサキだ。という感じでしたね。嗅覚は直観なので心に正直です。
会場に入った途端はひとつひとつがどんどん目に飛び込んでくるかのようですが、歩いていくと目が蘭に慣れきってしまいそうでした。それでもカメラを構えているので、ファインダーをのぞくとひとつひとつの花をよく見るようになります。
表現するイメージによって、蘭も印象ががらりと変わります。撮影セットに佇む女優のような存在感。
同じ種類の蘭だとしても、魅せ方でずいぶんと印象が変わることをしみじみ感じました。
一種類をたくさん集めて寄せておくとその特徴がストレートに伝わってくるかのよう。
でもあらゆる蘭以外の花やグリーンと交えていると自然を歩いているかのようで、それもまた好きです。
人工的に見えすぎないというのでしょうか。
また、一輪ぽつんといるのも、凛と存在感が引き立ちます。
これは大賞を受賞していた蘭です。警備の方もいてたくさんの人が囲んでとっかえひっかえに写真を撮っていましたので、あまり近づけませんでした。アカデミー賞かのようです。(笑)
それにしても、ここが東京ドームなんだ〜と度々思い出すくらいに、非日常な空間です。
冬の季節だからこそ、またこうして花に囲まれると気持ちが明るくなるのですよね。
お花屋さんでもなかなかあれだけ近づいてよく観察したり写真を撮ったりというのはできないので、特別に蘭が好きとか蘭がどうしても見たいという方でなくても面白い体験ができることと思いました。
ふだんの切り花をいけるときのヒントにもなりそうです。
あらゆる分野の美しいものを見て、自分が経験したことから生まれる美学の引き出しを増やしていきます。