上品な姿勢・しぐさに大切なのは何か。その鍵は「バランス感覚」です。
体づくりというと、筋肉トレーニングが主流に思われがちですが、まっさきにバランス感覚の練習をする人は少ないのではないでしょうか。たとえば、ヨガの木のポーズのようなシンプルな片足立ちもそうした練習の一つです。
なぜバランス感覚が上品な姿勢に大切なのか
筋肉トレーニングとバランス感覚の違いがいまいちピンとこない方もいらっしゃると思います。
筋肉トレーニングは、筋肉のパワーを強力にするように鍛えることです。
バランス感覚は、全身で不安定な形をとっていたとしても重心をコントロールして体を支えるスキルです。
筋力が強ければ、バランス感覚をサポートしてくれます。でも、イコールではありません。
体の鍛える能力が若干違うので混同しやすいですが、目的が違うのを認識しておきましょう。
筋肉は全身の骨の位置を支えたり、関節に動きを生み出すために大切な「動力」を生み出します。あなたの手をグーにしたり、パーにしたりとするとき、どのように動いていますか?筋肉が指の骨や関節を動かしていますね。
筋肉は全身で大小左右あちこちにいろんな方向へついています。その数、675個。例えばおもちゃのブロックでこんなにも多い数を組み合わせると思ってみてください。複雑そうに見えますね。
でも、私たちの体は自然と歩いたり、座り込んだり、いちいち動かし方を考えなくても日常の動きができるしくみを持っています。
単品の筋トレから、トータルコーディネート視点へ!
筋肉トレーニングで過信しがちなことがあります。それは「この筋肉さえ鍛えれば全身がよくなるのだろう」という期待です。
筋肉トレーニングの多くは、個別に筋肉を収縮させて鍛えるものが主流です。1つ、ないしは2つなどといった単品の筋肉をバラバラに鍛えているときというのは、筋肉が孤立した状態のようなものです。単品でも強いパワーを持っているならば、ときには有用になります。
でも、実際にパフォーマンスやスポーツで生かすには、全身とのチームワークを実践することが大事です。ほかの筋肉とどうやって組み合わせるのか。どうやって協力し合えるのか。そのときにバランス感覚が全身をトータルコーディネートしています。それを体で学ぶのがスポーツの練習です。
ファッションでも例えば良いトップスが見つかったからといって、ボトムスや靴とのバランスがとれていないと、全身がちぐはぐに見えてしまいますよね。
たくさんの筋肉の組み合わせ方・チームワークを決めるのが、バランス感覚なのです。
筋肉がバラバラに鍛えられたままで、バランス感覚を養っていないと、全身とのチームワークがうまくとれません。
実は、筋肉トレーニングで個別の筋肉を鍛える習慣を続けて来た人が、バランス感覚を求められると急にグラグラと上手く取れないことがよくあります。これも、そうした理由からです。
いままでバランス感覚を練習してこなかった女性のみなさまへ、上品な姿勢やしなやかなしぐさを生み出すためにも「バランス感覚」を養っていただきたいと思います。