ヨガ 死体のポーズの意味
ヨガのレッスンの最後に、「安らぎのポーズ」「お休みのポーズ」「死体のポーズ」と様々な名前で呼ばれる、休息の時間があります。
もともとインドの言葉では、シャバアーサナ(死体のポーズ)と言います。
あらゆるヨガのポーズで、動物や植物など自然をモチーフにした名前がつけられていますが、「死体」になるとは予想外に思われる方もいるかもしれません。
私も初めて知ったときは、びっくりしました。
ヨガを深めながら、私は二つの意味を感じています。
- 眠っていない、意識のある状態で、正しいリラクゼーションを身につけること
- 死を単にいのちの終わりと思わず、目覚めたときに生まれ変わった気持ちで日常に戻ること
正しいリラクゼーション
ヨガでは理想的な生活の仕方に、正しいリラクゼーションをすることに重きをおきます。
これは、睡眠とはちがいます。
起きている時間を考えます。
日常生活では、体も心も動いて走って、光陰矢の如し、過ぎ去ってしまいやすいものです。
動と静でいうと、起きている活動時間が、すべて「動」になりやすい人も多いのではないでしょうか。
起きているときに意識をコントロールして穏やかな時間をつくる事は、睡眠と同等かそれ以上に大切ではないかなとも思います。
起きていて、心も体も澄み切ってリラックスしている状態
意識のある状態で、静かな時間をつくること。
それが見過ごされやすく、また実現させるにもなかなか難しいことです。
それは現代社会だけかと思いきや、古代インドもまたその命題は同じだったのではないかと個人的には思います。
だから、ヨガの賢者たちも、正しいリラクゼーションを考えていたのではないでしょうか。
ヨガ 安らぎのポーズの取り方
ボディスキャンについての記事でも少し紹介しましたが、安らぎのポーズ(死体のポーズ)でもこんなイメージで取り組んでみましょう。
(1) 仰向けになる
まるで夜寝るときのように、全身リラックスして仰向けの大の字になります。
(2) 骨盤
手でおしりの左右のお肉をかきわけて、骨盤が安定する位置におきます
(3) かかと
両足のかかとを、バランスよくおきます
(4) 頭
後頭部の形にあわせて落ち着く場所を探ります
(5) 肩甲骨
左右とも心地よく感じられるところにおきます
(6) 腕
二の腕から肘、手首、手の甲までをやさしく床にあずけます。
ポーズの間にやること
・目を閉じる
そっと目を閉じて、目を休めます。
・呼吸
ゆったりと自然な呼吸を続けます。
・全身と顔の緊張をとる
全身、手足、顔など、すべて力を抜いてリラックスするイメージを持ちます。 特に、顔の緊張が入りやすいので、次の点にも気をつけてみましょう。
ーおでこ
日ごろ、パソコンやスマートフォンをじっと見つめている方は、おでこに力が入っていませんか? 頭の中が空っぽになるような感覚で、おでこの緊張をすーっと抜いていきます。
ー眉間
おでこと同じく、眉間にも緊張が入りやすいものですが、自分ではなかなか意識できない部分でもあります。
ー眼球の奥
ガラス玉のような、眼球。その奥には、繊細な筋肉がつながっています。眼精疲労になりやすい、目の奥の筋肉も、すーっとリラックスさせる意識を持ちましょう。
ーあご
奥歯をぐぐっと噛み締めやすい方は、あごに緊張が走りやすくなっています。頭蓋骨とあごの関節丸ごと、力が抜けるように、奥歯の間には少しスペースを空けてあげましょう。そうすることで、あごの緊張がゆるみます。