目次
左と右の鼻で、自律神経系のバランスを整えよう
ヨガでは、左右の鼻の呼吸をバランスよく行うことを大事にしています。
そのために、片鼻ずつ呼吸する方法(片鼻呼吸)という呼吸法が確立されているほどです。
左右の鼻の呼吸の違いについて、現代の医学でも研究されており、どうやら自律神経系(交感神経系・副交感神経系)に影響があることがわかってきているようです。
自分でチェック!
あなたの鼻は、いま左右どちらの鼻が呼吸しやすいですか?
- 右の鼻
- 左の鼻
- (どちらもほとんど変わらない)
それをふまえた上で、左右の違いを見てみましょう。
右と左の鼻の違い
右の鼻腔による呼吸 左の鼻腔による呼吸 交感神経系を刺激する(闘争・逃走反応) 副交感神経系を刺激する(リラックス効果) 左脳を刺激する 右脳を刺激する 言語能力を高める 空間能力を高める 血糖値を上げる 血糖値を下げる まばたきの回数を増やす まばたきの回数を減らす 眼圧を下げる※ 眼圧を上げる※注→*1 心拍数を上げる 心拍数を下げる 右肺を優先的に膨らませる 左肺を優先的に膨らませる 書籍 ティモシー・マッコール著「YOGA AS MEDICINEメディカルヨガ〜ヨガの処方箋〜」より引用*2
いかがでしょうか?
右だった方は、いわばアクティブなモード。左だった方は、リラックスなモード。といえるようです。*3
左右の鼻の違いについて、まったく意識していない人が大半だと思いますが、この法則を知ってから、日常生活の中でセルフチェックしてみると大概当てはまるケースがよくあります。
例:眠気と左右鼻の呼吸のちがい
特にイメージしやすいのは、眠気との関係です。
眠たい時 → 副交感神経系が優位 →左の鼻が通っている
眠気ゼロ・覚醒している時 → 交感神経系が優位 → 右の鼻が通っている
鼻周期/ネーザル・サイクル
現代医学では、「鼻呼吸/ネーザル・サイクル(Nasal Cycle)」といって、左右の鼻で、交互に呼吸していることがわかってきたそうです。人によって、時間もまちまちなようですが、1日の中で交互に左右の鼻を使っているようです。*4
ヨガでの片鼻呼吸法とは
ヨガでは昔から伝統的に左右の鼻のバランスを整える方法が行われていました。
方法は、簡単です。
片方の手を使って、ピースサインをつくる
人差し指と中指を眉間にあてる
親指と薬指を、小鼻の近くにおいて、左右の小鼻を交互におさえる
例:左(吸う)→右(吐く)→右(吸う)→左(吐く)・・・続く(左右どちらから始めてもOK)
1分でも3分でも、続けてみるとだんだん集中して心も落ち着いてきます。左右の鼻呼吸の時間が同じになるように、カウントを数えてやってみてくださいね。
体の不調と関わりが深いからこそ、バランスを整えよう
あなたは、体で困っている不調などはありますか? 私の周りでも、冷え性・不眠症・胃腸の疲れなどを抱えている方は結構います。
自律神経系は、体の様々な自律的機能(呼吸・血液循環・睡眠・体温調節・消化・排泄など)を司る役割があります。
ストレス社会で自律神経系が乱れがちな人こそ、体の不調にも良い効果が得られるかもしれません。
ヨガで伝統的に使われてきた片鼻呼吸法、ぜひ参考にしてみてくださいね。
関連書籍
ヨガの専門書で、医学にヨガを応用するアプローチを紹介されている本。
自律神経について、医学の素人でもわかりやすい説明がされています。ベストセラーになっていたので読んだ方もいるのでは。
*1:眼圧の上昇は交感神経系と関係があるという記事を見かけるので、誤植かな?と思いましたが、そのまま掲載しました。
*2:amazon リンクメディカルヨガ―ヨガの処方箋
*3:どちらも同じ方は、中間・・・?なのでしょうか。あくまでイメージとして捉えてみてください。
*4:こちらの論文によると、冒頭で鼻周期を発見した実験について説明されています。(福原氏・1966年)「鼻呼吸のウルトラディアンリズムー新しい測定法による検討ー」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy1926/66/6/66_6_437/_pdf